おはようございます。 パンデミックが加速したことの一つに「リタイアの早期化」があります。
2021年2月、米国の55歳以上世代で就労・求職する人の割合は38.3%に減少。1年前は40.3%でした。数にして145万人、労働市場から去ったことになります。
市場に参加する労働者の数と、一人当たりの生産性が経済を左右します。シニア層の早期退場は、米国の経済成長に一定のマイナス要因をもたらしそうです。
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ANAホールディングスは3月26日、グループ会社の再編を発表。プラットフォーム事業を扱う「ANA X」と、地域創生に特化した「ANAあきんど」として、4月1日から新たなスタートを切る。
狙うのは、ビジネスモデル変革による「非航空収入」の拡大だ。コロナ禍で航空会社の業績が危機的な状況にあるのは言うまでもない。
早ければ2022年度にも「ANAスーパーアプリ」の提供を開始し、街中やネット上で「マイルで生活ができる世界」を実現する。アプリは決済機能を有し、マイルを使う場面を大きく広げる計画だ。
「TaaS(Travel as a Service)」なるコンセプトも打ち出す。旅ナカでの飲食や観光などの情報検索からサービス利用までがANAスーパーアプリ一つで解決するという世界観だ。
「ANA X」がデジタルを統括するのに対し、「ANAあきんど」はリアルを担当。グループコンシェルジュを国内33支店、約120名配置し、自治体や事業者と連携して地域の課題に取り組む。
「ANA X」社長に就任する井上慎一氏は、日本初のLCC「ピーチ」を立ち上げた人物でもある。北京大学に留学、三菱重工を経てANAに入社したという異色の経歴だ。
航空会社にとって「マイル」は大きな事業資産だ。それを中心に経済圏を確立するビジョンは必然的なものにも見えるが、スーパーアプリを完成させること自体の実現ハードルは高い。
スーパーアプリの開発は、ANAグループの抜本的なDXに向けた挑戦と言える。果たしてどうなるか、今後の動向を注視したい。
Strainer
近くニューヨーク証券取引所に上場予定のUiPath。RPA(Robotic Process Automation)領域をリードしてきたベンチャー企業だ。
RPAは、多くの企業で大量発生する日常的な「繰り返し」タスクを自動化する。
それはちょうど、車の「自動運転」のパソコン作業版。人間の動きをコンピュータビジョンが認識、機械学習によって仕事を模倣、退屈な作業から開放してくれる。
UiPathの創業者CEO、ダニエル・ディネスはRPA領域に無限の可能性を見る。提唱するのは、人とアプリケーションの間にロボットが介入する「オートメーション・レイヤー」の実現だ。
今では華々しいUiPathだが、2005年の創業から10年近く苦労したベンチャーでもある。その歴史や事業内容を昨日の記事でまとめた。ぜひチェックしていただきたい。
オンラインゲームのネクソンは3月29日、2020年12月末までに国内外のゲーム・玩具大手4社の株式を合計で約1130億円分取得していると明らかにした。
低金利下での現金の有効活用を目的としているが、今後各社の保有する知的財産(IP)を用いた協業の可能性もある。
背景にあるのは好調な業績だ。2020年度の売上高は前年比17.9%増の2930億円と過去最高。営業キャッシュフローは1376億円のプラスで、現預金は2525億円に積み上がっていた。
ネクソンは 「新作のローンチに固執しない」 方針を掲げる。ファンの多い優良コンテンツに集中投資し、新作が不発に終わるリスクなどを避けつつ高収益を実現する。
主力の韓国事業の売上高は前年比83.7%増の1650億円。けん引したのはアラド戦記やメイプルストーリーといった往年の名作。それぞれ2005年、2003年に配信を開始したにも関わらず、増収率は55%、98%と高い成長を見せた。 メイプルストーリーの登録ユーザー数は韓国人口の45%に相当する。
2020年10月には日経平均の構成銘柄に採用された。このところ株価は上場来高値の更新が続き、5年前から4倍の水準にまで上昇している。
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