葬儀単価が低迷する中で急拡大する「ティア」名古屋発、ドミナント戦略で成功
矢野経済研究所の調査によると、葬祭ビジネスの市場規模は1.7兆円(2023年予測)。2019年まで緩やかな拡大傾向にあったがコロナ禍で凹み、復調が進んでいるところだ。
少子高齢化の進む日本において、葬祭ビジネスは伸びそうなイメージがある。しかし同調査によれば、単価下落によって長期的には縮小傾向が続くという。通夜振る舞いや精進落とし等の「飲食費」が減少するといった変化も生じている。
そんな中で拡大を続けてきたのが、名古屋で生まれた葬儀社の「ティア」だ。2024年9月期には買収もあり、売上高が188億円を突破。営業利益も14億円を超えている。株価収益率は約13倍と控えめな水準で、配当利回りは4.6%を超える(執筆時点)。
今後も日本では高齢化の影響で、死亡者数自体は拡大が見込まれている。葬儀の様式が変わる中、ティアはどのような成長を目指しているのか。同社の開示資料をもとに、今回の記事で紹介する。