ヒューリックは、主に「不動産事業」、「保険事業」、「ホテル・旅館事業」、および「その他」の事業セグメントを展開しています。不動産事業は、同社の中核であり、賃貸業務、開発・建替業務、アセットマネジメント業務などを含みます。特に東京23区の駅近物件を中心に、約250件の賃貸物件を保有・管理しています。

不動産開発では、既存物件の建替や新規物件の取得・開発を通じて、ポートフォリオの質的改善を図っています。また、ヒューリックリートマネジメント株式会社やヒューリック不動産投資顧問株式会社を通じて、アセットマネジメント業務も行っています。その他、短期のウェアハウジングや不動産バリューアッドビジネスも展開しています。

保険事業では、ヒューリック保険サービス株式会社が損害保険や生命保険の代理店業務を行っています。法人マーケットを中心に営業を展開しつつ、個人顧客にもきめ細やかなサービスを提供しています。ホテル・旅館事業では、「THE GATE HOTEL」や「ふふ」シリーズを中心に、ホテルや旅館の運営を行っています。

その他の事業としては、建築工事請負業務やこども教育事業、アグリ事業などがあります。ヒューリックビルド株式会社が建築工事を担当し、リソー教育を通じて教育関連サービスを提供しています。また、ベトナムでの農業生産にも参入しています。

ヒューリックは、持続可能な社会の実現と企業としての成長を目指し、2025年度から新たな中期経営計画を開始します。この計画は、2020-2029年の中長期経営計画の一環であり、特に「高い利益成長」と「安定基盤利益拡大」を実現するためのポートフォリオ再構築を重視しています。東京23区の駅近物件を中心に、安定した収益を確保しつつ、戦略的な物件取得を進めています。

また、ヒューリックは、竣工物件の利益最大化と環境変化を見極めた開発を推進しています。銀座などの重点エリアでの開発に加え、都心型データセンターや研究施設の竣工を予定しています。これにより、資本効率を高めつつ、高い利益成長を実現することを目指しています。海外事業では、経済成長が見込まれる地域での投資を進めています。

さらに、ヒューリックは、次の10年を見据えた新たな収益の柱を構築するため、連結ベースでの収益拡大を図っています。観光ビジネスの拡大や新規事業領域への投資を通じて、安定基盤利益の拡大を目指しています。特に、系統用蓄電池や高級シニアレジデンスなどへの戦略的投資を進めています。

財務健全性の維持とリスク管理態勢の構築も重要な課題です。ヒューリックは、強固な経営基盤を評価されており、今後も健全な財務基盤を維持しつつ、収益の維持・向上を図ります。内部統制やリスク管理の徹底を進め、新事業領域拡大に対応したガバナンスの高度化を目指しています。

最後に、ヒューリックは、サステナブル経営の深化を図っています。環境対応や人的資本の価値最大化、ガバナンス強化を通じて、持続可能な社会の実現と企業成長を両立させる取り組みを推進しています。特に、再生可能エネルギーの活用や耐震性能の強化、人材育成に注力しています。