事業内容
日建工学は、自社および連結子会社3社で構成される企業グループであり、主に2つの事業セグメントを展開しています。第一のセグメントは、消波根固ブロックの製造に用いられる鋼製型枠の型枠貸与事業です。この事業では、海岸や河川の護岸工事に必要な特殊な形状のコンクリートブロックを製造するための型枠を提供しています。
第二のセグメントは、製品販売事業であり、協力工場で製造された護岸ブロックなどのコンクリート二次製品、自然石製品、さらには吸出防止、洗掘防止、遮水などの目的を持つ土木シート製品の販売を行っています。これらの製品は、土木工事や建設プロジェクトにおいて重要な役割を果たし、環境保護や災害防止にも貢献しています。
売上構成を見ると、製品販売事業が全体の大部分を占めており、前連結会計年度においては約73.8%、当連結会計年度においては約69.6%の売上構成比率を示しています。一方、型枠貸与事業は、前連結会計年度において約26.2%、当連結会計年度においては約30.4%の売上構成比率となっており、両事業ともに日建工学の収益に貢献しています。
このように、日建工学は、型枠貸与事業と製品販売事業を通じて、土木・建設業界における様々なニーズに応える製品とサービスを提供しています。
経営方針
日建工学は、自然災害に対する防災と自然環境の保全を使命とし、新技術・新工法の開発と普及に取り組むことで快適な未来社会の創造に貢献しています。同社は、消波根固ブロック工法の技術を核に、型枠貸与事業及び製品販売事業を通じて既存事業の収益拡大を目指しています。特に、型枠貸与事業においては市場占有率の増大を図り、安定した収益確保と共に、固定費の効率的運用を進めることで柔軟な事業運営を目指しています。
経営環境においては、型枠貸与事業の市場規模が停滞している一方で、中長期的な気候変動への対応として防災・減災機能の強化への社会的要求が高まっています。また、海外ではアジアの港湾整備需要の拡大が見込まれるものの、国際競争の激化が予想されます。製品販売事業においても、気候変動による災害復旧事業へのニーズが増加していると同社は見ています。
優先的に対処すべき課題として、大規模災害の増加に対応する新事業・新製品の開発、既存事業製品の選択と集中によるコアビジネスの強化、東南アジアでの国際事業の収益力強化、そして協力会社ネットワークの維持強化と新たな提携関係の構築が挙げられています。これらの戦略を通じて、日建工学は安定した利益を生み出す企業体質への変換を進めています。