王者による値下げの脅威
GettyImages
ファーストリテイリングは3月4日、「ユニクロ」と「GU」の全商品を12日から約9%値下げすると発表した。
4月1日から消費税を含む「総額」の表示を義務付けられることにあわせ、現在の税抜き価格をそのまま税込価格にする。タグやオンラインストアに表示される価格が支払い金額となるため、余計な計算をせずにスムーズに買い物ができるようになる。
外出自粛が続くコロナの感染拡大下では、高級なおしゃれ着よりも、値ごろ感のある普段着の需要が高まっている。
国内ユニクロの既存店売上高は緊急事態宣言下の2月でも前年同月比で微増。9ヶ月連続でプラスを確保した。 低価格を武器にするしまむらや西松屋チェーンもコロナ下で増収傾向が続く。
2割の減収となったユナイテッドアローズやワールド(EC除く)などとは対照的だ。
アパレル企業にとって、粗利を傷つける値下げは極力避けたい行為だ。それでもカテゴリーキラーのユニクロが値下げによってシェア拡大を狙いにきた今、業界全体が厳しい判断を迫られることになりそうだ。