受給ひっ迫、その裏で
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あなたのすぐそばにある「半導体」。パソコンやスマホから家電、自動車まであらゆるものに搭載されている。
半導体産業には、量産と革新のための設備投資を延々と続けなければならない宿命がある。生産自体にも数カ月というリードタイムがあり、急な需要変動には弱い。
2020年のパンデミックでは当初、半導体需要の減少が危ぶまれた。ところが現実は、巣ごもりでパソコンなどの需要が急増。データセンター需要も加わり、半導体業界は一転して供給不足に陥った。
現代の半導体産業で強いのが、台湾のTSMCと韓国サムスン。技術面で「はるかに」劣るとされるのが中国SMICだ。これらファウンドリは、企業から受託して半導体を製造する。
半導体不足が際立って深刻なのが自動車業界。自動車向けの半導体は比較的レガシーで付加価値が低い。利幅は先端向けに比べて少なく、主要なファウンドリはスマホやPC向けなどの半導体生産を優先した。
ここに見事にハマりうるのが中国のSMICだと、あるアナリストは指摘する。SMICは中国最大の半導体メーカーであり、政府からの期待も厚い。
直近ではトランプ政権による制裁指定が重石になってきた。半導体強化を狙う中国は、国を挙げた設備投資にも乗り出している。