中国、一人勝ち
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2020年、中国経済は年間を通じて2.3%成長した。新型コロナ拡大が経済を悪化させた状況で、主要国では唯一のプラス成長である。
世界銀行の推計によると、2020年の世界経済は4.3%のマイナス成長に落ち込んだ。アメリカ合衆国は3.6%、欧州に至っては7.4%もの縮小である。
昨年1〜3月期に中国経済が6.8%のマイナス成長に落ち込んだことを考えれば、年間のプラス成長は驚異的とも言える強さだ。10〜12月期のGDPは6.5%成長したという。
2020年、中国経済は100兆元(≒1,600兆円)規模に成長した。一人当たりGDPも初めて1万ドルを超えている。
2.3%成長という数字は、世間の予想を上回るものだった。一方、中国にとっては毛沢東が死去した1976年以来、最悪の数字でもある。
中国政府は、2020年4月から工場の再稼働を推し進めて経済復興に努めた。巨大な製造業がマスクやリモートワークを実現するための資源を支えた側面もある。
一方、中国の消費者はなかなか安心できず、内需は2020年の夏に入るまで低迷した。12月時点での小売販売は前年比で4.6%拡大。年間を通じては、3.9%の縮小と弱含んだ。