2023年05月27日 12:00
アリババグループ:事業会社のスピンオフで企業価値を向上させられるか?
開示資料より作成

アリババグループが今、大きな経営上の転換点にさしかかっている。今年3月に発表された通り、六つの事業体にグループを分割し、外部からの資金調達や株式上場を目指す方針を公にしたのだ。

5月18日に発表された2023年3月期本決算は、経営状況や今後の方針について、より詳細に説明する場となった。しかし、その後も株価は冴えない。時価総額は今や2,095億ドルまで値下がりしてしまった。

中国経済をめぐる不透明さに加え、アリババグループ自体の勢いも鈍化している。中国コマース事業のGMVは前年比で純減し、その他の事業は赤字。増収率も低迷している。コスト削減により利益水準は回復したが、今後の成長性に関する疑念を払拭できずにいる。