上場準備中の悲報 創業者不在のIPOをトリプルアイズはいかに乗り越えたのか
Strainer
2022年は市場環境の急激な悪化もあり、上場を取り下げる企業も多かった。その中で、昨年5月31日に東証グロース市場に上場したトリプルアイズの事例を紹介しよう。
トリプルアイズは、囲碁AIで実績を残したAIベンチャー企業だ。今では囲碁AIから派生した画像認識AIプラットフォーム「AIZE」を運営していることで知られているが、2008年に創業者である福原智氏が、SES(システムエンジニアリングサービス)の事業を主として始めた会社だった。
福原氏は上場準備を着々と進めていた2021月3年に不慮の死を遂げる。残された経営陣は、茫然自失の中で意思決定を迫られた。会社を牽引してきた創業者がいなくなったとき、それでも上場を目指すのか?
トリプルアイズの経営陣はそのとき何を考え、どんな行動をしたのか。そして今、どんな未来を描いているのか。同社取締役の桐原永叔氏に話を聞いた。