2023年03月02日 12:00
成長鈍化に赤字転落「Zoom」巣篭もり特需の寵児に何が起こっているのか
開示資料より作成

オンライン会議ツールのZoom Video Communicationsが業績悪化に直面している。2月27日に発表された決算で、昨年11月〜今年1月の売上高は11.2億ドル(前年比4%増)だった。

それ以上に際立つのが収益性の悪化だ。四半期の営業損失は1.3億ドルと、およそ三年ぶりに赤字に転落した。株価は2020年10月をピークに七分の一以下という下落が続いている。

同社の決算報告を紐解くと、業績悪化にはZoomが持つ事業の特質が絡んでいることがわかる。パンデミックで急増したオンライン顧客の剥落が続くが、エンタープライズ売上では収益性を補うことができていない。

それでも同社は、法人向けを軸にした成長戦略を進める。コンタクトセンターの効率を高め、コストを抑えるよう設計された AIチャットボット『Zoom Virtual Agent』をリリースするなど、高度なAI技術を活用した新サービスの展開にも注力する。