2022年06月20日 14:17
ロールアップECのACROVE、5億円を調達 M&Aに活用
ACROVE

EC支援などのACROVE (アクローブ、東京都渋谷区)が、シリーズ A (創業期)ラウンドで5億円超の資金を調達したと発表した。ニッセイ・キャピタルが主導し、既存投資家のサイバーエージェント・キャピタルが追加出資した。今後のマーケティングや物流面での戦略的提携も視野に入れ、博報堂DYベンチャーズと日本郵政キャピタルも新規投資家として参加し、累計調達額は7億円を超えた。

調達した資金は自社開発の「ACROVE FORCE」の開発強化やブランドのM&A、採用活動などに投じる考えだ。

どんな会社?

ACROVEは2018年創業。ACROVE FORCEを軸に、提携先のEC支援を行う「提携ブランド事業」ブランドの立ち上げや買収をし収益性を伸ばす「自社ブランド事業」 を展開する。ACROVE FORCEに蓄積されたビッグデータを利用することで、マーケティング手法やアルゴリズム、業態ごとの市場環境の変化をいち早く察知し、ブランドごとに置かれている状況に適合した施策を打ち出すことができる。

画像名 ACROVE

提携ブランド事業ではこれまでに80以上の国内メーカーを支援し、300%に上る平均売上成長率を実現している。また、自社ブランド事業では、健康食品やフィットネス器具を取り扱い、米国などで注目を集める「ロールアップEC」と呼ばれるモデルを採用する。これは、Amazonや楽天などECマーケットプレイスで事業を展開する小規模事業者を買収し、経営管理や販売ノウハウを提供して売り上げを伸ばし利益を得る仕組みだ。

競合環境は?

ロールアップECモデルを採用し成長を続ける海外企業は多い。2018年の創業で、アメリカを中心にAmazonに出店するブランドの買収を続けるThrasio は、2021年10月に10億ドルを調達。評価額は100億ドルに達しデカコーンとなった。そのほか、シンガポールのUna Brands、ドイツのBerlin Brands Group、インドのGlobalBeesも多額の資金調達を進めている。