2022年06月09日 15:38
ジールス、サイネージでチャットコマース 22年度に1万台
ZEALS

チャットコマースのZEALS(ジールス、東京都目黒区)は、デジタルサイネージにチャットボットを搭載する技術を開発した。マイクロアド子会社のマイクロアドデジタルサイネージ(東京都渋谷区)の運用システムが入ったサイネージと連携する。

利用者は広告に付随するチャットボットとのやりとりを通じて、肌や髪質の診断を受けたり、自身の要望を汲み取った商品の提案を受けることができる。

既に全国の美容室300店舗に設置された約1600台のサイネージで提供を開始している。2022年度内に連携した機器の設置数を1万台まで増やす考えだ。

なぜサイネージ?

デジタルサイネージは、静止画だけでなくスライドショーや動画、音声や音楽など様々なコンテンツを配信することができる。視認性も高く広告効果が大きいため、タクシーや商業施設、コンビニやドラッグストアなどで導入が広がっている。

リクルートが実施した調査では、美容室の女性利用者の平均滞在時間が88分と長く、その時間の大半は鏡面台の前で座った状態だ。こうした時間に広告を流すことで宣伝効果は高まると期待され、美容室でもタブレットを含むデジタルサイネージを導入するケースが増えている。

これまでは一方的に広告情報を流していたが、チャットボットとのやりとりの中で得られた悩みや要望の情報を取得できるほか、これらを基に興味関心が高い商品を推薦し、購入に至る確度を上げることもできる。

現在は美容室を中心に運用しているが、チャットボットとの相性が良い化粧品などを取り扱う小売店やドラッグストアにも提供範囲を広げていく考えだ。