2022年06月08日 14:06
EU、24年に充電規格を「USB-C」に統一 iPhoneも対応必須
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欧州連合(EU)と欧州議会は現地時間7日、スマートフォンやタブレット端末などの充電機器の規格を統一することで合意した。EU理事会と欧州議会の承認を経て、2024年秋にも法令が施行される見通し。EU内で販売される電子機器の充電端子を「USB-C」にするよう義務づける。

過去10年間、欧州議会は共通の充電器に関する解決策を提案するよう継続的に求め続けており、2021年9月に立法案が提出されていた。独自の充電規格「ライトニング」を主力の「iPhone」や関連製品で採用する米Appleも対応を余儀なくされる。

どう変わる?

対象となるのは携帯電話、タブレット、イヤホン、デジタルカメラ、携帯ゲーム機などで充電が必要な電子機器だ。ノートパソコンは法令施行から40カ月後までに適合させる必要がある。

EU域内の消費者は新しい電子機器を購入するたびに、異なる充電器やケーブルを用意する必要がなくなり、製品購入の際に充電器の付属の有無を選べるようになる。ワイヤレス充電についても規格の統一に取り組む方針を確認している。

欧州議会は充電器の再利用が進むことで、余計な購入を抑えられ年間2億5千万ユーロ(約350億円)を節約できると見ている。これまでに廃棄された未使用の充電器は年約1万1000トンに上ると推計している。

企業の影響は?

アンドロイド端末の多くは既にUSB-Cを採用しているが、iPhoneは独自のライトニング規格を貫いている。

7日に開かれた記者会見で、欧州議会のアレックス・アギウス・サリバ議員は「Appleが2年後もEU域内でスマートフォンなどを販売したいのならば、ルールに従いUSB-Cに対応する必要がある」と指摘した。