2022年05月25日 18:05
米Walmart、米400万世帯にドローン宅配 注文から最短30分
Walmart

米小売り大手のWalmart(ウォルマート)が年内に米国の6つの州で、400万世帯以上にドローンで商品を配送できる体制を作る。2021年に一部商用化しており、対象エリアを拡大する。「年100万個以上の荷物を配達できるようになる」(同社)

Value(なぜ重要?)

Walmartは広域にドローン配送網を構築してより多くの飛行データを収集し、ノウハウを他企業とも共有していく方針だ。この分野の世界市場は年平均成長率54.5%で、2028年に186億ドルに成長するとの予測もある(米調査会社Emergen Research)。

EC普及やスピード配送需要の拡大、脱炭素化の機運が追い風だが、ドローンの性能面の課題もあって商用化が進んでいない。Walmartはまず空撮の需要がある不動産や保険会社と協力する意向で、「ドローン業界全体に貢献できる」としている。

Detail(詳しい内容)

ドローンの飛行サービスを提供する新興企業、米DroneUp(ドローンアップ)と連携する。2022年末までに34の配送拠点から、アリゾナ州やテキサス州など6州で荷物を最短30分で届ける。利用者は午前8時から午後8時まで、配送料3.99ドルで数万種類の商品を注文できる。

Drone UpにはWalmartが出資し、2021年にアーカンソー州でドローン配送を始めた。「当初は緊急の利用を想定したが、平日の夜食などで使われている」(同社)。機体の飛行は米連邦航空局(FAA)の認定を受けた操縦士が管理している。

Strategy(企業戦略)

全米人口の90%は、Walmartが運営する4700店舗の10マイル(約16km)圏内に住んでいる。同社は「ドローン配送を実施する上でユニークな立場にある」とし、商品倉庫としても機能する店舗網を活用してドローン配送を拡大していく。