2022年02月17日 10:23
キリンHD、中国の清涼飲料事業から撤退へ
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キリンホールディングス(HD)は16日、中国での清涼飲料事業の合弁を解消すると発表した。中国系のファンドに合弁会社の持ち分を約1,150億円で売却する。

合弁解消で2022年12月期決算に売却益390億円を計上する見通し。連結業績に与える影響は精査中としている。

合弁を解消する華潤麒麟飲料は、11年に中国飲料大手の華潤集団が6割、キリンが4割出資して設立。中国での販路拡大を狙い、紅茶飲料の「午後の紅茶」などを販売してきた。売却後も、キリンHDは華潤集団との業務提携によって現地で商品の製造・販売を続ける。

キリンHDは海外戦略の見直しを進めている。今月14日にはミャンマーからの撤退を発表。同社は15年、現地企業に約700億円を出資し、ビール事業を展開していた。21年の国軍クーデターを機に国軍系企業と合弁解消を模索していたが難航。事業継続はできないと判断した。

今後は医薬品やヘルスサイエンス領域などの規模拡大を計画。「プラズマ乳酸菌」の熱帯感染症への効果検証を進め、米国や東南アジアを中心に販売を強化。収益性が高いクラフトビール事業を北米やオーストラリアで展開していく考えだ。