2022年02月09日 16:05
ファンド事業で損失、アーム売却断念
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ソフトバンクグループ(SBG)は8日、2021年4〜12月期決算を発表し、売上高は4兆5,808億円(前年比10.7%増)だった。出資先の株価下落が影響し、純利益は3,926億円(同87.1%減)。

投資損失は5,518億円。持株会社投資事業から160億円、ラテンアメリカ・ファンド事業からの1367億円の投資利益があったが、ソフトバンクビジョンファンドの投資損失7,677億円が上回った。

ソフトバンクグループ

21年10~12月期の連結決算は、純利益が前年同期から98%減の290億円。ハイテク株の高騰によって業績が向上した前年から大幅な減益になった。SBGの孫正義社長は決算説明会で「(決算は)冬の嵐の真っ只中だが、新たな種は植えている」と強調した。

SBGは、傘下の英半導体設計大手アームを、米半導体大手エヌビディアに400億ドルで売却する計画を断念すると発表。20年に一度売却に合意したが、欧米の規制当局が半導体市場の公正な競争を阻害するとして懸念を表明していた。

今後、22年度末までのアームの米国市場上場を目指して準備を進める方針。AFP通信によると、上場で調達できる資金はエヌビディアへの売却額よりも少なくなるとの見方もあるという。