2022年01月18日 13:33
リチウム生産で遅れをとる
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バイデン政権がEVの普及拡大を目指す米国が、リチウムの供給問題に直面する可能性をCNBCが報道。同資源の国内生産で遅れをとる現状を伝えている。

リチウムはEVや携帯電話、コンピューターなどのバッテリーの他、釉薬や潤滑剤、医薬品などに活用される資源。リチウム価格はEV向けバッテリーの需要増で高騰しており、2021年1月から280%上昇している。

米国は1990年代までリチウム生産で世界首位だったものの、コスト競争に破れて生産量が低下。米地質調査研究所によれば、現在米国が採掘・処理するリチウムは世界全体のわずか1%だという。

一方、世界のリチウム原料の80%以上はオーストラリア、チリ、中国で採掘されている。特に、中国は世界のリチウム処理・精製のシェアが50%以上。世界のリチウムイオンバッテリーの巨大工場のうち4分の3以上が中国にあるという。

このような状況で米政府は2021年6月、リチウムの国内生産・精製および電池製造を活性化させるための新たなビジョンを発表。また、2021年7月にはゼネラルモーターズ(GM)がカリフォルニア州のリチウムイオン抽出プロジェクトに投資を行っていた。