2022年01月07日 19:33
2021年のクリプト犯罪は140億ドル規模
Shutterstock

ブロックチェーン分析企業のチェイナリシス(Chainalysis)が6日、クリプト(暗号資産)犯罪のトレンドに関する記事を投稿。2021年に総額140億ドル相当が違法性のあるアドレスに渡ったことを明らかにした。

この金額は2020年(78億ドル)よりも79%増え、2019年(117億ドル)よりも大きい。もっとも、クリプト領域全体の成長を考慮すれば、相対的には小さな金額であるとも言える。

チェイナリシスによると、2021年における暗号通貨の取引総額は15.8兆ドル(前年比567%増)。全体が7倍近くにも増えたのだから、関連する犯罪被害が1.8倍程度でとどまったのは、むしろポジティブな驚きとも言えるというわけだ。

その理由は、合法的な暗号通貨活用が、違法なものの成長を上回ったため。違法性のある活動が全体に占める割合は、今までにないほど低い水準(0.15%)だったという。2019年には3.37%だった。

一方、新たな犯罪の温床にもなっているのが「DeFi」だ。詐欺(Scamming)による犯罪収益は78億ドル(前年比82%増)にのぼったが、そのうち28億ドル超が「rug pull」と呼ばれるもの。当初は正当なプロジェクトを装い、突如として消えるという手法である。