2021年12月28日 15:00
保育士・介護士に資産とDXを
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保育・介護業界向け年金基金を運営する手がけるベター・プレイスが5.4億円を調達。みずほキャピタル、Chatwork、東京大学のベンチャー投資事業会社などが引き受ける。

注目する理由: 保育・介護業界は、低賃金や人手不足、離職率の高さが長年の課題だ。同社は、現場人材の資産形成をサポートする年金基金を提供。3年半で543事業所・約2.5万人が加入するなど急成長中だ。介護記録システム開発などにも取り組み、業界のDX化にも尽力する。

アリコジャパン、スカンディア生命など保険・投資業界を渡り歩いた森本新士社長が2011年に創業。保育・介護業界に特化した「福祉はぐぐみ企業年金基金」を2018年にスタートした。

同基金は、資産のほとんどを元本保証・安定運用のファンドで運用し、国内大手生保に運用を委託することでリスクを低減。事業主は、元手や投資知識なしで退職金制度を構築できる。

職員は、退職時や休職時、育児・介護休業時にも受け取れる。スマホから掛金シミュレーションや掛金変更の申請も可能だ。

シフト勤務表自動作成システムなど、福祉・医療施設向けのIT導入支援やクラウドサービスも開発・提供。年金基金事業を軸にしつつ、現場のDXニーズを取り込み事業を拡大する。

5.4億円の資金と投資先企業との連携により、年金基金をさらに拡販。東大との産学連携を通じ、「顧客データを起点とした様々な付加価値サービス」も展開するという。