2021年12月24日 15:01
ユニクロセルフレジ訴訟、和解へ
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「蓋のないRFIDセルフレジ」の特許侵害で争っていたファーストリテイリング・アスタリスク・NIPは24日、和解したことを共同発表した。和解内容は非公表。

重要な理由: 特許侵害を巡る争いは費用・人的負担がともに大きく、大企業有利になりやすい。ファーストリテイリングという世界的企業を相手に、発明家が戦って和解したことは希望と言える。

アスタリスクは今年9月に東証マザーズ上場、「モノ認識」を活用したソリューションを展開する。2017年5月にはセルフレジに関する当該特許を出願、2019年1月に特許登録した。

ところが同年2月頃より、ユニクロ店舗で蓋のないセルフレジの設置が開始。5月にはファーストリテイリング側が特許の無効審判を特許庁に申請した。

9月にはアスタリスク側が、ユニクロの特許権侵害差し止め仮処分命令申し立てを行う。ファストリはアスタリスクの持っていた(現在はNIPが保持)特許に対し、無効審判を計8件提訴。うち一つが2021年5月に知財高裁で有効とされ、ファストリの訴えが棄却された。

「お金の問題ではなく、勝たなくてはいけない。特許がつぶされる世の中になりかねない」とアスタリスクの鈴木規之社長は繰り返し述べてきた。そんな彼が和解に応じたということは、アスタリスク・NIPに有利な内容となった可能性が高い。

ファストリは最高裁への上告の受理を申し立てていた。アスタリスク側は、東京地裁、大阪地裁において、特許侵害でユニクロ・ジーユーを訴えていた。今回の和解で双方取り下げるとみられる。