2021年11月18日 20:22
非上場化で破産を免れる
Shutterstock

D2Cマットレスブランドとして知られるCasper Sleepが15日、PEファンド「Durational Capital」によって買収、非上場化されることを発表した。Casperは2020年初めに上場したが、業績は振るわなかった。

重要な理由: D2Cブランドの中で先行してIPOを果たし、注目を集めた。種々の逆風があったとはいえ、商品自体がヒットしても黒字化できない大きな先例となってしまった。

Casper Sleep 売上推移

Casperは2014年に創業。米国のマットレス産業は70億ドルもの規模があるが、いくつかの大企業による寡占状態にあることが知られていた。

発売すると即座に完売し、マットレスを送れない場合は代わりの商品を配達するといった顧客サービスでも人気を集める。当初の売上目標180万ドルは2か月で達成し、俳優レオナルド・デカプリオなどセレブも出資した。

新規上場時には「眠りの経済(Sleep Economy)」を掲げ、それからマットレスだけでなく枕や寝室家電にも展開。オンラインだけでなくショールーム販売にもチャネルを広げた。

コロナ禍に見舞われながらも売上規模を拡大したが、株価はピーク時の三分の一以下に落ち込む。資金繰りも苦しく、9月末の純キャッシュはマイナスだった。黒字化の目処は立たず、そのままでは破綻も時間の問題だったと言える。