2021年08月16日 07:00
極めて特殊な環境
Shutterstock

8月12日に発表した4〜6月期決算で、リクルートHDは「世界各国の労働市場は極めて特殊な環境となった」と現在の事業環境について表現した。

米国では企業の採用需要が過熱した一方、個人の求職活動が低調。両者の間に乖離が継続している。

背景には、感染症への懸念や育児サポートの減少、政府からの金銭的支援(による就労意欲低下)といった要因がある。同様の動きはカナダやドイツ、英国でも見られたという。

リクルートHD HRテクノロジー売上

IndeedやGlassdoorはオークション型の課金体系モデルを採用している。求人数が求職者数を上回ると求人広告価格が上昇するため、HRテクノロジー事業の売上も大幅に増加した。

6月には求職者数が大きく回復。ワクチン普及や政府からの金銭的支援が終了することなどにより、求職活動は継続的に回復する可能性があるとした。

一方の日本では、有効求人倍率で横ばい傾向が続いている。飲食・販売業が高い割合を占めるアルバイト・パート向け求人広告サービスで、採用需要の回復が緩やかなものになった。

リクルートHDは事業環境の好転・悪転に一喜一憂することなく、最も重要な経営戦略である「Simplify Hiring」実現に向け、着実に進捗を図りつつ、長期的視点をぶらさず経営を進めると説明した。