これ以上ない買収
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米国のフィンテック企業「Square」が、オーストラリア発の後払いサービス企業「Afterpay」を買収することを発表した。対価は株式によって支払われ、総額290億ドルを見込む。
以前の記事でもご紹介したが、Afterpayは稀に見る急成長を遂げたベンチャー企業だ。
創業者の一人ニック・モルナーは実家がジュエリー店で、10代の頃にジュエリーECを始めた。高単価商材のため、購入に至る割合が低いという課題があった。
そこで考えたのが「後払い」というアイデアだ。コンバージョン率を高める有効な施策であることが判明し、これを事業化。オーストラリア史上最速と言われる成長企業となった。
2018年には米国に進出したが、競争は激しい。重要なのは事業者の開拓だ。Squareは小売業者(=セラー)向けにPOSシステムを提供。個人向け金融アプリ「Cash App」もある。
Squareは近頃、セラー・エコシステムとCash Appの連携強化を今後の方針として掲げてきた。Afterpayを両サービスに統合すれば、二つをより良く結びつけることができる。
Afterpayを利用する消費者は6月30日時点で1,620万人。世界9.8万もの事業者も抱える。Squareにとっては、グローバル展開を強化する打ち手にもつながる。