空港オーナーになりたい
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「シドニー空港」はファンド連合から買収提案を受けていると7月5日に発表。提示額は223億AUD(豪ドル)、約1.9兆円にのぼる。
同空港はオーストラリア最大の空港で、現存する商用空港として世界で最も古いものの一つだ。操業開始は1919年で、2年前に100周年を迎えた。
2002年には政府によって民営化。オーストラリア証券取引所の時価総額ランキングでは上位企業の一つだ。
当然であるが、シドニー空港は航空会社ではなく「空港」だ。費用の大半は減価償却費であり、売上に対するEBITDAマージンが極めて高い。
2019年の売上高は16.4億AUD(≒1,400億円)で、航空会社から受け取る空港利用料などが7.4億AUD(≒620億円)を占めた。小売店向けのテナント料なども3.7億AUD(≒315億円)と大きい。
2020年にはパンデミックで乗客数が1,120万人に激減(2019年は4,440万人)。国内が655万人(前期比74%減)、国際線が379万人(同78%減)となった。損益上は赤字に転落したが、営業キャッシュフローはプラスである。
シドニー空港側は提案について精査中だが、「パンデミック前より低い提示額」であることを強調。今の時点で動く必要はないと株主に呼びかけた。