2021年07月06日 07:00
生命のソフトウェア
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COVID-19拡大は多くの企業に災難をもたらした。追い風を受けた企業も少なくないが、最も直接的な影響を受けたのが「モデルナ」だ。

ご承知の通り、モデルナは新型コロナワクチンを開発、日本をふくむ世界各国で普及が進んでいる。2021年1〜3月の売上高は17.3億ドル(前年比231倍)、営業利益は12.7億ドルに膨らんだ。

直近では変異株にも効果ありと公表され、市場からの評価は高騰。時価総額は940億ドルを超え、2020年3月から10倍規模に拡大した。

モデルナ

モデルナは2010年に創業。生物化学工学博士のヌーバー・アフェヤン氏が立ち上げた。mRNAの活用に可能性を見出し、2018年上場当時の資料には生物の教科書さながらの内容が掲載されている。

DNAを「ストレージ」だとすれば、そこから転写されたmRNAは「生命のソフトウェア」だと表現。医療に活用するポテンシャルをアピールした。

mRNAワクチンで一躍脚光を浴びたものの、市場からの評価は確立されたとは言えない。ファイザーやアストラゼネカなど、市場には並み居る競合がいる。企業としての真価が問われるのは、むしろここからだ。