2021年07月06日 07:00
IPO直後に急ブレーキ
Shutterstock

中国の規制当局は先日、配車サービス「Didi」のアプリ配信を各アプリストアで停止させた。Didiはつい先日、巨額のIPOを果たしたばかりだ。

理由は「Didiが違法に利用者の個人情報を集めていた」ため。今月初めにも「国家安全保障上の懸念」によってDidiを調査すると発表したばかり。巨大テクノロジー企業と中国当局との間で、摩擦が強まっている。

Didi

2020年、新型コロナ拡大によりDidiの業績は大きなダメージを受けた。足元では回復し、下半期には前年超え。売上高は1,417億元(≒2.4兆円)、営業損失109億元(≒1875億円)だった。

圧力が強まっているのはDidiだけではない。同じく米国市場に上場する人材マッチングアプリ「Boss Zhipin」やトラック版Uberこと「Full Truck Alliance」にもセキュリティをめぐる調査をはじめた。

調査期間中、これらの企業は新規ユーザーの登録を受け付けることができなかった。中国政府は6月、データ管理をめぐる新法案「データ安全法」を成立させたばかり。今後も同様の動きは広がりそうだ。