お願い、買わないで?
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NVIDIAの英Arm買収をめぐり、様々な思惑がうごめいている。
ソフトバンクグループが2016年に3.3兆円で買収してから4年後、半導体業界でもっとも勢いのある企業「NVIDIA」が4.2兆円で買収することを発表。
しかし、簡単にコトは進まない。Armは「半導体業界のスイス」と言われてきた。NVIDIA傘下に入れば、勢力図が根本的に塗り替えられてしまう。
今年2月にはGoogleやMicrosoft、Qualcommが買収に反対しているとBloombergが報じた。反トラスト(独占禁止)法当局に働きかけており、最低一社は取引の中止を望んでいるという。
つい先日には、それと逆行する報道が出た。ブロードコムと聯発科技、マーベル・テクノロジーGの三社が買収計画を公にしたというのだ。三社はArmの顧客だ。
Armは、半導体チップの設計とソフトウェアをライセンスすることで圧倒的な地位を築いた。あまりに依存度が高いため、誰も表立って買収に反対できないとも言われる。
買収が成立したとき、両者との関係を危うくするのは得策ではないというわけだ。関係国の規制当局がどのような結論を出すか、業界は固唾を飲んで見守る。