寝てちゃダメ?
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中国で「寝そべり族」が増えている。あらゆる面で意欲の低い若者を表す言葉だ。
中国社会は学校や企業内での競争が激しい。就職難による不安感は高く、親からの圧力も高い傾向にある。そんな中で芽生えたのが「必要最小限の生活を送れれば良い」という価値観だ。
「寝そべり=躺平(タンピン)」ブームを引き起こした人物は「先生」とされる。可能な限り仕事せず、食事を減らして徹底的に節約。自宅や外で文字通り寝そべって暮らす。
こうしたトレンドを中国政府が看過するはずはない。主要メディアもこぞって批判するが、当の若者たちはSNS上で「タンピン主義」に賛同の声をあげる。
無気力な若者はいつの時代もいる。中国では「仏系」「喪文化」といった言葉が数年前から流行していた。日本でも同様の言葉はある。
中国経済は、今まさに成長している。しかし国全体は伸びても、多くの若者はその恩恵にあずかれない。頑張っても報われなければ、無気力になってしまうのはどんな人間も同じだろう。
現代の若者はSNSを通じてリアルタイムにつながっている。かつての若者文化と比べ、格段に流行が広まりやすい下地があるのだ。中国当局が今後どのように対処するか、注目である。