記録的な人手不足
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ワクチン普及により経済再開が急速に進む米国で、人手不足が鮮明となっている。
米労働省は6月8日に雇用動態調査を発表。4月の求人数は前月比100万件増の929万件と過去最高を記録した。採用数(608万件)を大幅に上回る。
背景に挙がるのは、手厚い給付金や失業手当が労働意欲を削いでいること。 保育施設の閉鎖を受け、子育て世代が復職できないという事情もある。
人手不足による機会損失を防ぐため、各社は賃上げに動く。Amazonは5月13日、北米の物流拠点で新たに採用する従業員の時給を17ドル以上に引き上げると発表。あわせて最大1000ドルの一時金も支給する。
同日、米マクドナルドも直営店で働く従業員の時給を平均で10%上げると表明。夏の繁忙期に向け、直営店で新たに1万人を採用する方針も明らかにした。
スターバックスやクローガー、メキシコ料理チェーン「Chipotle Mexican Grill」なども相次いで賃上げを発表。ペット用品EC「Chewy」も報奨金の付与などで人材確保を急ぐ。
資金力で劣る中小事業者も待遇改善を迫られる。商品やサービスへの価格転嫁が進めば、物価の上昇を招く可能性もある。