ピッコマ、企業価値8000億円
カカオジャパン
漫画アプリ『ピッコマ』を手がけるカカオジャパンが5月20日、香港系投資ファンドへの第三者割当増資により約600億円を調達する。同社によると、2021年の国内コンテンツ企業が受けた出資額として最大規模だ。
カカオジャパンは、メッセージアプリ「カカオトーク」を運営する韓国企業Kakao Corporationの日本法人。調達完了時の企業価値は8000億円を超え、メルカリ(7964億円)や東宝(8084億円)の時価総額と同水準となる。
ピッコマは2016年4月に開始し、今年5月には累計ダウンロード数が2700万回を超えた。2020年7月以降はApp Store(ブックカテゴリ)とGoogle Play(コミックカテゴリ)の合計でセールス1位を獲得している。
グローバルでもセールス1位だといい、「ピッコマが世界一位の漫画アプリ」だとアピールする。
土台にあるのは革新的な取り組みだ。24時間ごとに1話ずつ無料閲覧できる「待てば¥0」制度や、話単位で販売する「話売り」など、今や当たり前になったモデルを初めて導入したのはピッコマだという。
「WEBTOON」と呼ばれるオールカラー・縦スクロール型マンガの配信にも注力。スマホ最適なユーザー体験が好評で、月間販売額が2億円超の『俺だけレベルアップな件』といった人気作品も生まれた。
親会社Kakaoのネットワークを活用し、韓国作品の取り扱いが多いのも魅力の1つ。近年は小説の拡充も進める。今回調達した資金は、「グローバル展開も視野に入れた『ピッコマ』のさらなる事業拡大」 などに充てる方針だ。