米メディア産業、再編へ?
AT&T
米通信大手のAT&Tは5月17日、傘下のメディア事業「WarnerMedia」をDiscoveryと統合させ、独立企業を作ることを発表した。
AT&Tは2018年にTime Warner(当時)を買収。巨大な収益基盤とリーチ力を活かしてメディア帝国を作るという野心は、わずか三年で白紙に戻される。
1〜3月期におけるWarnerMediaの売上は85億ドル。HBO全体の購読者数は6,392万人。2020年に開始した有料配信『HBO Max』は4,063万人に伸びたが、『Disney+』の急成長には及ばない。
Netflixは巣ごもりの反動で成長が鈍化しているものの、2億人を超える有料会員がいる。営業利益率は27%に達し、動画配信単体では最も収益力が大きくなった。
動画配信サービスは、明確に「規模の経済」が働くジャンルだ。Discoveryは欧州の『Eurosport』など、米国外にも強みを持つ。購読者数は1,500万人程度で、統合によって8,000万人近い顧客基盤を有することになる。
新会社では引き続き、動画配信事業の拡大を目指す。2023年には売上高およそ520億ドル、調整後EBITDAで140億ドルの収益を見込む。今回の動きは、バイアコムやコムキャストといった他のメディア企業にも影響を与えるかもしれない。