352億円を調達
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クラウド会計ソフトを提供する「フリー」が5月12日、3Q決算を発表。2021年1〜3月期の売上高は26.9億円で、前年比48%の拡大となった。
個人およびSmall(中小企業)セグメントが堅調に成長し、Mid(中堅企業)セグメントも順調。Midセグメントでは、セールスサイクルの長期化が続いている面もある。
有料課金ユーザー企業数は前年比34%増の28.1万社。ARPU(ユーザーあたり売上)は同12%増の3.73万円に拡大した。確定申告期である3Qには個人の新規顧客が増加する季節性があり、2020年5月に実施した価格改定の効果も取り込んだ。
SaaS企業の事業規模として重視される「ARR」は105億円。月末時点の継続課金ユーザーにおける月額料金の合計額を12倍して算出される指標だ。
顧客獲得の好調さを主因に、業績予想の修正も発表。売上計画を102億円と、前回予想から5.4億円引き上げた。営業損益は22.1億円の赤字を想定、前回から据え置いた。
フリーの時価総額は約4,000億円と、SaaS企業として国内有数の大きさだ。4月には海外公募増資で352億円を調達、投資を強化する準備を整えた。
同じく4月、契約業務をクラウド化できる『NINJA SIGN』を展開するサイドビジット社の約70%を27億円で取得。法務領域への進出を果たす。