低迷する賃貸市場
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ニューヨークの賃貸不動産価格が下がり続けている。
米不動産情報サイト「StreetEasy」によると、2021年の1〜3月期、マンハッタンにおける賃貸価格(中央値)は月2,700ドル。彼らが2010年に記録を開始して以来、最安だ。
コロナ禍が本格化する直前の2020年1〜3月期には3,417ドルだった。1年で20%以上も下落したことになる。
マンハッタンだけではない。同じくニューヨーク市内のブルックリンでは2,390ドルと2011年以来最低。クイーンズでは1,999ドルで、ここ8年で最安値をつけた。
需要は夏頃に回復へ?
賃貸価格が下がる一方、いわゆる「フリーレント」が増えた。マンハッタンでは44.2%の家主が少なくとも1ヵ月分の家賃を免除するとして掲載。1年前と比べ、22ポイントも高い。
家主にとって、家賃引き下げはなるべく避けたいことだ。見かけ上の「利回り」を維持するためにも、フリーレントという対応を取ることが少なくない。
空室数は1年前と比べ約2倍の水準だが、ここ半年は減少傾向にある。StreetEasyのエコノミストであるウー氏は「この夏から賃貸需要は急な回復に転じる」と予想を立てる。
背景にあるのは、やはりワクチンの普及だ。一方で価格の回復には時間がかかるとも説明し、「(大家たちが)物件獲得を焦る必要はない」とした。