チキンバーガー戦争
Shutterstock
米マクドナルドの業績がコロナ前の水準を超えた。米国事業が大きく復調し、2021年1〜3月期の売上高は2019年1〜3月期比2%増の51.2億ドルとなった。
今四半期の主役は、ビーフではなく「チキン」。2月に新発売した「クリスピーチキンサンドイッチ」の売れ行きが想定以上となり、「既存店の増収をけん引した」(ジョー・エアリンガー米国事業プレジデント)。
アメリカでは「チキンバーガー」の人気が高まっている。業界最大手は、このジャンルの発明者でもある「チック・フィレイ」。米国での市場シェアは45%にものぼる。 20%以上を握るプレイヤーは他にいない。
チック・フィレイを追い、各社は商品開発を急ぐ。2019年8月、フライドチキン店「Popeyes」はチキンサンドイッチの販売を開始。店舗あたり1日1000個を売り上げる大ヒットとなり、コロナ禍でも既存店売上高は2桁増を続けた。
KFCも品揃えを強化。今年2月、肉のボリュームを増やしたチキンサンドイッチの新商品を全米で発売。従来製品の2倍以上を売り上げ、2021年1〜3月期の既存店売上高は前年比14%増。「再来店率も高まっている」(デビッド ・ギブスCEО)という。
マクドナルド今年、3種類のチキン商品を新発売した。エアリンガー氏は 「数年にわたる『チキン・ジャーニー』の始まり」 に過ぎないとコメント。チキンバーガーを巡る戦いはさらに激しくなりそうだ。