2021年12月22日 21:18
ホームセンターの雄が「東急ハンズ」買収へ
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東急ハンズは22日、親会社である東急不動産ホールディングスが同社の全株式をカインズに譲渡することが決まったと発表。来年3月末より「新たなDIY文化の共創」に向けたパートナーになると宣言した。

重要な理由: カインズはホームセンター業界で売上トップ企業。227店舗を展開し、2021年2月期の売上4,854億円を誇る。一方、出店は郊外中心で、東急ハンズとは相補的な関係にある。

カインズ 売上推移

カインズは1989年設立。あの「ワークマン」も傘下にもつベイシアグループの一員だ。競合他社が再編の渦中にある中、自前成長で2019年に業界トップ企業の座を手にした。

一方の東急ハンズは1976年に創業。「手の復権」をキーワードとし、ライフスタイル提案型ショップとして人気を集めた。カインズが日常全般に強みを持つのに対し、東急ハンズは趣味やホビークラフトに根強い顧客層を持つ。

コロナ禍でホームセンターの売上は増加したが、ここ20年は店舗は増えても業界全体の売上は増えない低迷期にあった。自粛緩和で都心の消費回復が見込まれる中、カインズは東急ハンズ買収で新たな強みを手に入れることになる。

カインズには全売上の約4を占めるオリジナル商品の開発基盤があり、IT活用にも積極的だ。東急ハンズの発想力や提案力などと掛け合わせ、長く培われた「東急ハンズ」ブランドをさらに磨き上げる。