ライアン・コーエンという男
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2021年が始まった頃、株式市場において狂乱の中にあったGameStop。デジタルシフトに苦労している、何の変哲もない米国のゲーム販売チェーンだ。
発端と言えるのが、起業家のライアン・コーエンが昨年、アクティビスト(物言う株主)としてGameStopに出資したことだ。デジタル戦略を中心とした業績改善プランを提示し、株価は期待に跳ね上がった。
これに目をつけたのが空売りファンド。それを逆手に取ったのが年初の騒動である。
そして今回。GameStopはライアン・コーエンが会長に選ぶ予定であることを発表。取締役への報酬を削減しつつ、100%株式で支払う方針も掲げた。
起業家、転じてアクティビストに
ライアン・コーエンはペット通販サイト「Chewy」の創業者だ。弱冠25歳で創業した同社は今や時価総額350億ドル規模の大成功企業となった。
以前も特集したように、コーエンは10代の頃からウェブサイトを作ったりして事業を始めた。やがて「オンラインジュエリー」に可能性を見出し、それまでに稼いだ手金を投じる。
ところが、あるきっかけで準備していたジュエリー通販事業を捨ててChewyを創業。EC事業を成長させる上で、コーエンが何よりも深く考えていたのが「Amazonに負けない」ことだ。
コーエンがGameStopにどんな可能性を見出しているかは以前ご紹介した。ぜひチェックしていただきたい。