2021年04月08日 07:00
TSUBAKIも東芝も狙う
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東芝は4月7日、英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズなどから買収の初期提案を受領したと発表。今後、取締役会で議論を進めていく。

日本経済新聞の報道によると、CVC側は当局を含めて条件に合意できればTOBに乗り出す。買収額は2兆円を超える規模とみられる。

東芝の業績

CVCは1981年に設立された大手投資ファンド。ロンドンやニューヨーク、パリなど世界の23都市にオフィスを設け、現在の運用資産規模は1178億ドルだ。

日本拠点を開設したのは2003年。現最高顧問の藤森義明氏は東芝の社外取締役で、東芝の車谷暢昭社長はかつてCVCの会長を務めていた。 この縁が今回の買収提案につながったとみられる。

もっとも、CVCの日本展開は順調とはいえない。2005年、カネボウの化粧品事業を巡って花王と争奪戦を繰り広げるも、あと一歩のところで敗北に終わった。

翌2006年には業績不振のすかいらーくに他ファンドと共同出資。再建は叶わず、2011年にベインキャピタルに転売して終了した。 2009年にベルシステム24の買収を試みたときも、ベインが勝ち取っていた。

その後は小型の案件を手がけてきたが、今年2月に資生堂から「TSUBAKI」を約1600億円で買収すると発表 東芝の買収にもこぎつけられれば、ようやく日本でも大型案件の実績を積むことができそうだ。