モノの株式市場
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スニーカーに特化した中古品マーケットプレイス「StockX」をご存知だろうか。2020年末には評価額28億ドルに達するなど、米国で大注目のスタートアップ企業である。
サービス開始は2016年。主な創業者はNBAチームのオーナーであるダン・ギルバートと、初代CEOのジョシュ・ルーバーの二人だ。
ルーバーは根っからのスニーカー狂。IBMに勤めるかたわら、スニーカーのデータベースサイト「Campless」を運営、マニアの間で評判を獲得していった。
一方のギルバートは、息子がeBayでスニーカー価格をチェックするのを見て新たな着想を得る。株式取引所のようにモノを売買するというアイデアだ。
出資するスタートアップの創業者グレッグ・シュワルツに話すと、アイデアを形にできる人材が必要ということでCamplessを買収。ルーバーが言うには、二人は同じアイデアを全く別々に思いついていた。
こうしてStockXが誕生。翌年には高級時計やハンドバッグ、ストリートウェアへとカテゴリーを広げる。
2019年には1.1億ドルを調達して評価額10億ドルを突破。ルーバーはCEOを退任し、eBay出身のスコット・カトラーと交代した。
2020年のGMV(流通総額)は18億ドルに急増。アクティブ購入者数は前年比90%増と急拡大した。日本を含む米国以外でも成長。年内のIPOも噂されている。