10兆円の非公開企業
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フィンテック企業「Stripe」が新たに6億ドルの資金を調達し、評価額が950億ドルに達したと発表。日本円で10兆円を超える非公開企業だ。
調達した資金を使って欧州展開への投資を進めるほか、国際送金や「Treasury」ネットワークの拡大に注力する。
Stripeの「Treasury」サービスは、API一つで金融サービスを提供できるようになる「Banking as a Service」。今のところ招待限定での提供だが、あらゆる企業が銀行機能を内包できる可能性を秘める。
Stripeは2019年の時点で年間数千億ドル(=数十兆円)もの金額を取り扱い、2020年にはオンライン化が急加速した。それでも、世界のコマースに占める比率は14%に過ぎない。
歴史
Stripeを創業したのはアイルランド出身のコリソン兄弟。開始当初の2009年、二人は20歳前後の大学生だった。地元は田舎で、ひたすら本を読んでいた。
二人とも学業優秀で、兄パトリックは16歳でMITに進学(弟はハーバード)。間もなく会社を創業すると、10代のうちに売却してミリオネアになった。
面白いのは、当初のStripeが「PayPalでいいじゃん」と言われ投資家に断られていたことだ。ところが、ピーター・ティールやイーロン・マスクがStripeに出資。どちらもPayPalの創設者である。