2021年03月20日 08:00
もともと特別なonly one
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巷で注目を集めるデジタル資産「NFT(Non-fungible token)」。何やらまた怪しげに聞こえるが、それほど分かりにくいものでもない。

一般に、事物は「代替可能(fungible)」かどうかで価値が変わる。手元にある現金1万円は「fungible」だ。小学生のときにもらったラブレターは「non-fungible」で、その価値は計り知れない。

NFT データ:NonFungible.com

アート作品

「non-fungible」の代表がアート作品だ。モナリザを幾つ複製しても、オリジナルの価値は変わらない。

これは元来、デジタルとの相性が悪い。あなたのPCでモナリザ級の作品が生まれても、それを「本物」と断定することは難しい。ただ一つの本物がないところに、non-fungibleな価値は付かない。

そこでNFTなら、データがブロックチェーン上に保存される。誰も破壊することはできないし、所有権を遡れば、誰がそれを作り出したかも検証できる。

こうして価値を獲得したのが「Everydays – The First 5000 Days」と呼ばれるアート作品だ。Beepleという芸術家が数年かけて毎日書いたスケッチを集めたもので、純粋にデジタル作品である。

オークションハウス「クリスティーズ」で、69,346,250ドル(約75億円)の値がついた。テクノロジーにより、価値のあり方も変わっていくのだろうか。