日本発チャレンジャーバンクへ!クラブ機能を軸に成長する「ナッジ」の戦略

日本発チャレンジャーバンクへ!クラブ機能を軸に成長する「ナッジ」の戦略

今回取り上げるのは、次世代クレジットカード『Nudge』を提供するスタートアップ企業のナッジだ。

ナッジは2020年に設立され、翌年にNudgeをローンチ。「クラブ機能」を軸としたアプローチで、20〜30代の若手を中心にユーザーを獲得。直近では10代の人気も高まっている。

創業者の沖田貴史氏は歴戦の連続起業家で、フィンテックの本質は「金融分野のパワーシフト」にあると考える。必ずしも合理的な選択をするとは限らない消費者が、自然に理想の選択肢を取れるよう工夫する。そんな考え方が「Nudge」(そっと促す)という名の由来だ。

同社が目指すのは、日本発の「チャレンジャーバンク」。総額およそ50億円を調達したナッジは、今後の成長プランをどのように思い描いているのだろうか。代表取締役の沖田氏に話を聞いた。

フィンテック領域の連続起業家

沖田氏とフィンテックの関わりは非常に長い。

一橋大学在学中に「サイバーキャッシュ」を共同創業したが、ITバブル崩壊により親会社の米国CyberCashが経営破綻。その日本法人だったサイバーキャッシュも窮地に追い込まれた。

苦境を救ったのが、ソフトバンク・インベストメント(現SBIグループ)の北尾吉孝氏だ。事業責任者だった沖田氏が社長となり、2004年には「ベリトランス」として大証ヘラクレスに新規上場。2012年にはデジタルガレージが130億円で買収した。

ナッジ創業者の沖田貴史氏

同年に沖田氏は、デジタルガレージの戦略子会社『econtext ASIA』を共同創業。2013年に香港市場への上場を果たしている。

2015年にベリトランスの代表取締役を退任すると、翌年にはSBI Ripple Asia(SBIグループとRippleの合弁)を立ち上げた。経営者人生の出発点にもなった北尾氏の声かけが起点となったという。

経営者として豊富な経験を積んだ沖田氏が、改めてスタートアップの世界に踏み出したのは2019年。その翌年にナッジ社を設立、日本における「チャレンジャーバンク」を生み出すことを構想した。

欧州チャレンジャーバンクが成功した背景

チャレンジャーバンクとは文字通り、既存の金融システムに挑戦する金融スタートアップだ。インターネットネイティブな現代型銀行として、世界各地で注目を集めてきた。

ナッジが設立されたころ、すでに目立っていたのが欧州のチャレンジャーバンク。MonzoやN26、Revolutといった企業が台頭し、どこも目を見張るようなペースで成長。ユニコーン企業の仲間入りを果たしていた。

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