PayPayはなぜ強いか 利用5000万人超え、事業モデルと未来図に迫る
PayPay

スマホ決済アプリPayPayの利用者数が8月18日時点で5000万人を超えた。2018年10月の提供開始から、わずか3年10ヶ月で日本人の2.5人に1人が使う決済インフラに育った。国内発のサービスとしては異例のスピードだ。

ソフトバンクとヤフーの共同出資によって設立したが、携帯など両社のサービスを普段利用しない消費者の間にも「入れておけば便利」という意識を醸成した。民間調査によるシェアは45%と2位以下に約3倍以上の差をつける。

「100億円あげちゃうキャンペーン」のポイント還元をはじめ、グループの資本力をバックに、利益度外視の「ばら撒き」で誘致した印象が強い。だが同時並行で店側や自治体のDX支援策も浸透させ、収益化の道筋も見えてきた。

ソフトバンクの宮川潤一社長は8月の決算説明会で、「事業育成期から本格的なマネタイズのフェーズに移行する」と明言した。PayPayがこれから目指す道と、したたかな事業モデルの詳細に迫る。

利用は1日1200万回以上に

まず、PayPayは実際にどれだけ使われているのか。

指標となる決済回数は2022年4〜6月の3ヶ月間に11億1000万回。単純計算で1日1200万回以上の利用がある。2021年の同期間は7億9000万回(前年比84%増)で、さらに42%増えた。

通年では2021年度に78%増の36億回だった。現在の成長率を維持すれば、2022年度は50億回を超える見通しだ。2021年度の金額ベースでは5兆4000億円と67%増。2021年度の増加率(2.5倍)は下回るが高い伸びが続いている。

利用者数も現在は右肩上がりだ。国内人口の約3分の1にあたる4000万人に達した2021年6月から、1年強で1000万人が上乗せされた。

5000万人突破を受けて、ヤフー親会社Zホールディングス(HD)の川邊健太郎社長は「これからも日本に住む人のお財布の代わりとなれるように頑張って参ります」と自身のTwitterに投稿した。

MMD研究所(東京都港区)が18〜69歳の約4万5000人を対象とした調査では、普段の支払いにスマホ決済を選ぶ人は44%。このうち最も多く使うのはPayPayが45%で、d払いや楽天ペイ(ともに17%)を抑えて首位だった。

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