クライナー・パーキンスの元パートナー、メアリー・ミーカー氏(現在は新ファンド「Bond」を創立)による「インターネット・トレンド」が、今年も公開されました。
今回もスライド数が333枚という超巨大なレポートになっています。
カバーされたのは、インターネットユーザー数からEコマース、デジタル広告、データ量、フリーミアム・サブスクリプション、画像共有、ヘルスケア、インタラクティブ・ゲーミング、オンデマンド経済、中国インターネットなど多岐に渡ります。
メアリー・ミーカー氏は333枚のスライドをわずか30分で話し終えていますが、きちんとチェックするとどう考えても1時間はかかってしまいます。
そこで今回は、レポートの中でも特に重要だと思ったトレンドを7つのポイントに絞り、「インターネットの今」について考えてみたいと思います。
まずは、インターネットユーザーの動向です。
2018年、インターネットユーザー数は38億人に達し、はじめて世界人口の半数以上がインターネットにアクセスできる状態になりました。
中でも拡大を牽引しているのはアジアで、世界のネットユーザー数に占める割合は、今日の53%。
アジア圏の人口の中では、48%がインターネットにアクセスできる状態です。
さらに、その中でも圧倒的なのが中国とインドです。世界全体のうち、中国が21%、インドは12%、アメリカは8%の割合を占めています。
中国とインドは、アメリカに比べてはるかに大きな拡大余地を残しており、これから先も、少なくともユーザー数という意味では、アジアがインターネット市場の成長を牽引することは確実と言えます。
今のところ、テクノロジー産業における時価総額トップ30社のうち、アメリカが引き続き18社と多くを占めています。中国は7社で、それ以外は5社しかありません。
さて、これから世界のインターネット企業のトップオブトップがどうなるかについては、大きく2つのシナリオが考えられます。
1つ目は、「ネット人口の拡大により中国企業がトップを牛耳る」こと。2つ目は「グローバル展開に成功したアメリカ企業がトップの座を守る」という方向性です。
現実は両方のハイブリッドになりそうな気がしますが、全体のトレンドとして「勢力が各地域で分散していくのか」「全世界を牛耳るプラットフォームが出てくるのか」というのは、インターネットが進む方向として大きな分岐点になりそうです。
人々が日ごろ触れている「デジタル端末」にも、大きな変化が起こっていることがわかります。